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新田次郎「風雪の北鎌尾根」

 新田次郎「風雪の北鎌尾根」は有名な松濤明「風雪のビバーク」をもとにした小説。

 新堀篤と前島耕一が冬季初登攀を目指して入山したが、季節外れの雨、冬用テントの凍結による使用不能により、ツェルトによるビバークを余儀なくされる。そのツェルトも凍って使い物にならなくなったころ、北鎌平の登り口に到達し、彼らは雪洞を掘った。しかし、最後の頼みの綱のラジュースがこわれ、火がつかない。ほとんど眠れぬ夜を過ごした後、穂先を目指して歩き始めるものの突風によって2人は千丈沢に飛ばされる。

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↑元旦の北鎌尾根(2006年冬 - 北アルプス・槍ヶ岳北鎌尾根[6/7]

 冬の北鎌尾根は困難である。私たちが登ったときも8日間かかり、入山初日は雨の洗礼を浴びた。テントが使用不能になることはなかったが、私は経験も少なく凍傷になった。

 昭和23年の年末というから当時はテントも重く、防水性も弱いものだったのだろう。テント、火器の重要性を感じさせる小説である。しかし、新田次郎は「孤高の人」や「栄光の岩壁」のように長編として松濤明を描いていない。「風雪のビバーク」があまりに有名すぎて二匹目のドジョウのそしりを免れないと考えたのだろうか。

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  1. 2016/10/21(金) 00:05:07|
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