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文化財や自然公園の岩に登攀用のボルトが打たれているニュース

 最近、文化財や自然公園の岩に登攀用のボルトを打ちつけられていることがニュースで問題になっている。文化庁は緊急調査を行うそうだ。

 岐阜県御嵩町の国の天然記念物「鬼岩」などがロッククライミング用のくさびで傷つけられているのが相次いで見つかったのを受け、文化庁が国の名勝や天然記念物がある自治体から保存や管理状況の緊急調査を始めたことが28日、分かった。

文化庁、岩登りで全国緊急調査 天然記念物の損傷相次ぎ -主要│くまにちコム

 Googleニュースで調べると1ページ目に表示されるだけで以下の3つの記事が見つかった。

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↑某所に打たれたボルト

 このニュースを聞いて、登山もするし、自然公園事業に携わっていたこともある立場からすると板挟みの感覚だ。

 岩登りが登山の一形態として楽しまれているのは多くの人が知っているだろう。昭和のブームの頃には一ノ倉沢を始め、北岳バットレス、剱岳など様々な岩が登られ、そこには確保のためのハーケンが打たれた。岩の隙間(リス)がないと打てないハーケンに対して、後発のボルトはリスがなくとも設置することができ、より挑戦的な登攀が可能になった。しかし、ハーケンやボルトの残置は第二登以降を容易にしてしまい、困難さが削がれるという批判があり、ナッツやカムといった一時的な支点を使うようになっていった。と、何かの本で読んだ気がする。

 文化財保護法はよく知らないが、文化財の改変を容易に認めない法律だということは知っている。自然公園法は特別保護地区から普通地域、除外地域まであるが、保護の程度が高ければ高いほど改変が難しい。ボルト打ちつけが何にあたるかというと土砂の掘削に近いだろうか。

 登山者の登攀意欲とそれぞれの法の目的が重なってしまうため、このような問題が生じるのだと思う。文化財保護法の制定は昭和25年、自然公園法の制定は昭和32年であり、その当時はハーケンは存在していたと思うが、それを明確に制限する通達などは知らない。文化財保護法は建築物や絵画、工芸品など保護対象は多岐にわたっており、登山者まで考えていなかったのかもしれない。自然公園法はそのような登山者がいることはわかっていたと思うが、より大きな伐木や土砂の掘削などを大きな目的としていて黙認していたのかもしれない。

 細かいことを言えば、沢登りで焚き火とか魚釣りとかも認められないだろう。ただ、こんなのは有史以前から行われていることであり、今さら頭ごなしに禁止と言われても簡単に納得はできない。登攀はおろか上のような支点を作っての懸垂下降もできないとなれば、登山者が入れる領域は登山道に限定され、登山はずっとつまらないものになるだろう。黙認というスタイルを時代が許さないのであれば、場所を限って何らかの特例措置をとるか、事前に行政に申請するかになるだろうか。行政も登山者も面倒だし、今年初めての山の日を迎えるにあたって暗いニュースだと思う。

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  1. 2016/07/04(月) 00:52:30|
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