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富士吉田市の市長が冬富士の登山の禁止を提唱

 富士吉田市の市長が冬富士の登山の禁止を提唱しているそうだ。

 富士吉田市の堀内茂市長は13日の定例記者会見で、今年に入り富士山で滑落などの事故が相次いだことを受け、「富士山の冬山登山は基本的に禁止すべきだ」と述べ、県に対し、罰則規定のある条例を制定するよう働きかける考えを示した。近く富士北麓の自治体の首長らに呼びかけ、条例制定に向けた新たな協議会の設立も目指すという。

冬の富士登山「禁止すべきだ」…富士吉田市長 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 自治体側からすれば、夏に比べて遭難の危険が高く、警察・消防による捜索コストもバカにならないだろう。加えて先日の静岡市のように救助に不備があって訴訟を起こされるリスクもある。眺める分には危険はないが、冬富士に登山者が登ることについてはコストばかりでベネフィットが見当たらない。

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↑登山者で混雑する富士山(2010年冬 - 富士山より)

 という気持ちは分かるのだが、私自身冬富士に登ったことのある立場からすると、もったいないというか釈然としない思いがある。冬の富士山は12月に多くの山岳会が雪上訓練を行うところであり、初めて雪山に登る新人は富士山で蒼氷と強風の洗礼を受ける。山頂を目指す人にとっても多くの人は往復で登るため、引き返しやすく、また山頂まで何日もかかる山ではない。冬の富士山は登山者が入山しやすく、しかも各自の実力に応じた登り方のできる山である。

 日本の雪山登山者の入門であり、裾野を広げるのに一役買っている富士山を一律登山禁止にするのはもったいないと思うのである。富士山で雪山を知った登山者の中には海外の困難なルートを登ったり、その大陸の最高峰を極めたりといったトップクライマーになる人もいるかもしれない。あるいはタレントのなすびがエベレスト登頂成功するなど、このようなニュースは国民を鼓舞させる効果もあるだろう。冬の富士登山を禁止するということはプロクライマーの育成とそのような人々の活躍の道を閉ざす可能性がある。

 剱岳や谷川岳は条例により、決められた範囲に入山するときは登山届の提出が義務付けられているが、登山は禁止されていない。しかし、富士山が禁止となると、他の自治体でも横並びに禁止とするかもしれない。そうなれば雪山登山をしたくてもできなくなり、雪山登山は衰退していくような気がするのである。

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  1. 2016/05/20(金) 01:08:53|
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