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藤木九三「雪・岩・アルプス」

 藤木九三「雪・岩・アルプス」を読み終わった。

 モンブラン、マッターホルンなど海外の山を大正15年に登った人の本。欧州アルプスの紀行と日本アルプスの紀行の二章立てで構成されている。

 写真はあるものの地図がないため、ヨーロッパアルプスに行ったことがない私にはイメージがわきにくい。日本アルプスはもっぱら北アルプスを取り上げており、錫杖岳の岩登り、5月の槍・穂高、滝谷、剣岳八ツ峰などが載っている。こちらは私も土地勘があるので地図なしでもなんとなくわかる。

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↑大槍に登る途中から見る小槍(2011年秋 - 北アルプス・槍ヶ岳東鎌尾根[2/2]

 マッターホルンや小槍に秩父宮殿下をご案内する話は、槙有恒や松方三郎など日本登山の黎明期を飾った登山家が出てきて、やはり殿下をお連れする場合は超一流の登山家を連れて行くんだな、と感心する。一方で殿下の動作だけ敬語なので、登山書にしては何やらシュールである。

 そしてチムニーの上のレッジに達した槇氏は、チムニーの上から声を懸けて、

「殿下、お登りください」

 と合図申し上げると、殿下はチムニーの裂罅の間に向かって右を背にお入りになり、チムニー登攀のレギュラー・フォームで「背と膝」および「背と足」を利用するバッキング・アップの御動作で攀じさせられる。

藤木九三「雪・岩・アルプス」(中公文庫,1979)P.165

 昔の人は重登山靴で岩も雪山も登って行ったと思うと、ただ尊敬する。トップクラスの登山家はその当時の道具によらず、そのまま登攀意欲に比例して難しいところを登ってしまうんだなあと感じた。

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  1. 2016/02/17(水) 00:00:54|
  2. 書評 - 山岳
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