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荒船山から神津牧場にかけての山稜 - 大島亮吉「山 ー随想ー」

 大島亮吉「山 ー随想ー」に見るクワウンナイ川の水の表現大島亮吉の言及するワンダラーの概念の関連。

 大島亮吉は荒船山から神津牧場にかけての山稜が好きだったようだ。「荒船と神津牧場附近 中部日本の低い山歩きのひとつとして」という題で随筆を書いている。

「もう9ヶ月以上も山での生活とははなはだしくかけはなれた兵営生活しているあいまあいまに」書いたとあってあんまりまとまっておらず思い出を思い出した順に書いている感じである。

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↑物見山から北の風景(2007年春 - 西上州・大上峠〜碓氷峠[2/3]

 ひろい、山上のゆるやかな傾斜地のやや凹んだなかに、眼の下とおく、小さく、黒ずんで、ひとかたまりに牧場の小さな建物が、所属の畑の真中に、しずかに、平和に、つつましやかに見えた。建物の玻璃窓はキラリキラリと夕日に光ったりなどした。小さく、黒い人の姿が、その建物のぐるりにうごいていた。とにかく私はぼんやりとその尾根のうえで、笹原にふかく腰を下したまま、この山上の牧場の、エキゾティックな全く私の心を捉えてしまった風景に見とれた。

大島亮吉,荒船と神津牧場附近 中部日本の低い山歩きのひとつとして,「山 ー随想ー」(中公文庫,1979)P.226

 滞在中は秣切りやエンシレーズかつぎなどを手伝ったり、ゆるい尾根歩きをしたり、本を読んだり、風呂につかったり、笹原に寝転んだりと実にのびのびと逗留している。牛の様子を観察したり、朝しぼりたての牛乳を飲んだり、見える景色を記述したりと、まさに随筆である。

 私も県境縦走の一環として荒船山から神津牧場にかけて歩いたことがある。概して長野側が緩やかで群馬側が切り立っている西上州の山において神津牧場附近は全体になだらかである。5月の連休には牛を見ることはなかったが、山に険しさはなく、牧歌的な風景が広がっていたのは思い出す。この日は絶好調で4時に気象通報を取った後もまだ歩き続けたが、焦りはなかった。穏やかな山容が気に入ったというのもある。なだらかな、いい山だと思う。

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