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縞枯れの起こる条件 - 小泉武栄「山の自然学」

 蓼科山で見かけた縞枯れについて、実家に帰って「山の自然学」を調べてみた。

 縞枯れが顕著なところがあり、これが北八ツの縞枯れかと感心するが、なぜ縞々になっているのか思い出せなかった。確か「山の自然学」に載っていたと思うのだが、家に帰っても本が見当たらないので分からない。

2015年夏 - 北八ヶ岳・蓼科山

 端的には下記のような理由により縞枯れが上昇していくそうだ。

 縞枯れの帯は、どうして上昇していくのだろうか。それはつぎのような理由である。斜面下方の樹木が枯れると、その上部の森林には日光が入るようになり、風も吹き込むから、土壌が乾燥する。その結果、ついに樹木は枯れはじめる。するとその影響はさらに上の森林に波及する。こうして帯が上昇するのである。

小泉武栄「山の自然学」(岩波新書,2002)P.120

 一方、縞枯れが起こる場所と起こらない場所では何が異なるのかは研究者の中でも意見が分かれているそうで、この本の筆者は以下のように論じている。

 わたしは、縞枯れの生じている山地は、いずれも針葉樹林の林床が岩がゴロゴロする岩塊斜面になっているという共通性があることに注目すべきだと思う。岩塊斜面の成因には、火山の溶岩が冷えるときにできたものと、氷期の寒冷気候下に凍結破砕作用によって形成された周氷河性のものの両方があるが、いずれにしても縞枯れの発生は林床が岩塊斜面であるところにかぎられている。岩塊斜面でない場合には縞枯れは発生していないのだ。おそらく岩塊地で土壌に乏しいという条件が、縞枯れを発生させる素因になっているのだろう。そうした条件の土地に南からの強風が吹くことによって、縞枯れがはじまり、帯が上昇していくのだと思う。縞枯れのはじまるきっかけは、おそらく数十年に一回程度の風台風による倒木の発生であろう。

小泉武栄「山の自然学」(岩波新書,2002)P.121-122

 確かに蓼科山の山頂は岩がゴロゴロしていて、まさに岩塊斜面である。一方、岩塊斜面は他にもありそうなものだ。こないだ行った大井川東俣はあちこちで土砂崩れが起きていた。大井川東俣で縞枯れを見たかというと覚えていないが、顕著なものはなかったと思う。さらに条件が限られるのだろう。

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