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浅井建爾「えっ?本当?! 地図に隠れた日本の謎」

 浅井建爾「えっ?本当?! 地図に隠れた日本の謎」を読んでいる。

 埼玉県で最初に市になったのは浦和でも大宮でもなく川越だとか、日本には寺より神社の方が多いとか、興味深い記述がある。

 過去に読んだ日本全国「県境」の謎と同じ著者で、県境に限らない小ネタを日本の地形や人口、面積、市町村などの行政区分などに整理して書いている。

 ちょっと物足りないのが、出典があまり示されないところ。「東京から川が消えたふたつの理由とは?」という項では、敗戦後の復興でがれき処理のために水路や川に埋めた、東京オリンピックを契機に高速道路の整備や悪臭防止のために暗渠化した、という2つの理由が述べられている。前者は知らないが、後者は暗渠マニアには有名な話である。この本には単に以下のように述べている。

 それから十数年後、東京で再び水路の埋め立てラッシュが始まった。今度は東京オリンピックの開催と、モータリゼーションの到来である。水路は埋め立てられ、道路が拡張された。残された水路の上には高速道路が建設された。さらに、「都市空間を有効に利用する」、「生活排水が流れ込んで悪臭を放つ水路に、蓋をして悪臭問題を解消する」ということを大義名分として、水路は次々に暗渠化されていった。

浅井建爾「えっ?本当?! 地図に隠れた日本の謎」(実業之日本社,2008)P. 141

「都市空間を有効に利用する」については出典は不明だが、首都高に聞けば分かるかもしれない。「生活排水が流れ込んで…」は36答申のことを述べていると思われる。

§1 特別委員会が設置されるに至った理由

(前略)…よって氾濫被害は漸次軽減はしてきているが、前記のような土地発展によって源頭水源を有しない河川の雨天時水流はその殆どが仮定や工場から排出される汚水であるため、常に河川、水路は黒く汚濁され、悪臭を放ち、環境衛生上も重大な問題となり、都民の声も陳情請願の形で在来河川の覆蓋、暗渠化を強く要望してきている。

東京都市計画河川下水道調査特別委員会に関する報告書 昭和36年11月 建設局河川部

 ちょっと調べれば出てきそうなところだが、残念ながら触れられていない。広く浅く、という本の趣旨なのだろうが、理系の人間からするともう少し出典を確かめて書いてほしいというのが本音である。


えっ?本当?!地図に隠れた日本の謎 (じっぴコンパクト)えっ?本当?!地図に隠れた日本の謎 (じっぴコンパクト)
(2008/07/11)
浅井 建爾

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  2. 書評 - 地図・県境・都市河川
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