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役所の電子決済とホウレンソウは相容れない

 行政の電子化を徹底するらしい。

住民申請、ネット7割目標…閣僚会議を創設

 政府は、行政の電子化を徹底して推進するための関係閣僚会議を創設し、27日に初会合を開く。

 住民が社会保障に関する申請などをインターネットを通じて国に行う割合を7割に引き上げることを目指し、公務員の仕事の効率化によって年2000億円以上の税金の節約につながると見込んでいる。

(中略)

 会議では、〈1〉役所が使う情報システムの合理化〈2〉公務員の働き方の見直し〈3〉電子化による住民サービスの向上――が主な検討事項となる。具体的には、年金や保険の資格取得などの国への申請がネット上で行われる割合を、2012年度の41%から、21年度までに70%以上に増やしたい考えだ。また、役所内の決裁は、公共事業の設計図など特殊なケースを除き、紙の使用を原則としてなくす完全電子決裁を目指す。

住民申請、ネット7割目標…閣僚会議を創設 : IT&メディア : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 この記事を見て紙以上に便利な媒体が果たして開発されるのだろうか、と感じた。

 私が強く感じるのは決済についてである。行政の決済が依然として紙ベースを主流としているのは事実だし、だからこそこのようなてこ入れが図られているのだろう。電子化の仕組みを作ったところで職員が移行しないのであれば、なぜ職員が電子決済を行なわないのかチェックすべきである。

 私が思うに電子決済は上司への説明に適さないためである。役所に限らず多くの組織では上司への報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を密に行なうよう部下に指導していると思うが、決済とは一種のホウレンソウである。紙ベースであれば地図や写真やグラフを示しながら、この施策を実行するべきである、と上司に説明できる。上司も資料を見ながらこれはよい、これは見直すべきと指示を出す事ができる。

 しかし、電子決済はこのホウレンソウが機能しない。突然上司のパソコンに決済のおしらせがやってきてそれを見て上司がオンラインで判を押す。実際には、こうなるだろう。

部下「課長、いま電子決済送りました」

課長「○○君、起案文書見ているんだけど、この資料説明してくれる?」

部下「これは、2番目のボタンのPDF書類に具体的な位置図があるのですが、この地域での△△を××するために…」

課長「ディスプレイじゃ分からないから紙で説明して」

部下「それでは紙で印刷するので少々お待ちください」

と、なると思うのだ。

 決まったルーチンワークで右から左へ決済を回していけばよいのであれば、特段ホウレンソウの必要はないだろう。しかし、役所とはいえすべての仕事がルーチンワークではない。ホウレンソウが必要な場合、上司への説明に最も適しているのは依然紙であると思う。ディスプレイのサイズにとらわれず、複数の紙を重ねて表示することができ、鉛筆で書き込むことができ、現場に持ち運ぶことができ、電源が不要で、安価である。タブレットが流行る現代でもこの紙の優位性は失われていない。

 記事に「公務員の働き方の見直し」という項目があるが、もしこのホウレンソウの仕組みを大きく変えるならば税金の節約にはなるかもしれない。一切を部下の個人プレーに任せ、1人で解決できなくなったら課長に報告するという方法もあるが、たぶん日本の組織には合わないと思う。住民サービスの低下も免れない。

「電子化」が正義ということにとらわれているような気もする。紙の量を減らすことは紙の購入代金を減らすという点で短絡的に経費節約になるが、説明等に時間を要して残業代が増えるようであれば本末転倒だと思う。

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  1. 2014/07/03(木) 22:15:51|
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