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STAP細胞問題に対する小保方さんの反論の意図が分からない

 今日、理化学研究所調査委員会がSTAP細胞論文問題で最終報告書を発表した。

 「STAP(スタップ)細胞」の論文に疑問が指摘されている問題で、理化学研究所は1日、筆頭筆者の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーに「研究不正行為があった」とする最終調査報告を公表した。研究の根幹をなす画像に「捏造(ねつぞう)」があったと認定した。共著者については不正はなかったとしたが、チェック機能が働かず「責任は重大」とした。

小保方氏の捏造・改ざん認定 STAP細胞論文で理研:朝日新聞デジタル

 これに対して、論文執筆者の小保方さんは承服できないとコメントを発表したそうだ。

 私も学究の徒として修士課程に進んだが、なんでこんなことになっているのか分からない。調査委員会と小保方さんの間で大きな認識の違いがあるようだが、主張を聞くに、小保方さんも共同執筆者もあまりにお粗末である。

 第一に、小保方さんの執筆者としての反論があまりにも幼稚すぎる点。

 Figure 1iから得られる結果は、元データをそのまま掲載した場合に得られる結果と何も変わりません。そもそも、改ざんをするメリットは何もなく、改ざんの意図を持って、Figure 1iを作成する必要は全くありませんでした。見やすい写真を示したいという考えからFigure 1iを掲載したにすぎません。

小保方氏「捏造認定、承服できない」 不服申し立てへ:朝日新聞デジタル

 見やすい写真がよいのであれば、何度も実験をくり返して見やすい写真を撮るべきである。たとえ、改ざんの意図を持たないとしても他の実験の写真を流用すべきではない。実験を行なった証拠がなくなってしまうからである。異なる写真なら正しい写真を示して反論すべきである。幸いにもSTAP細胞は従来考えられていたiPS細胞などの作成方法に比べて格段に容易に作れるということなのだから、その写真を撮ることはさほど難しくないだろう。功を焦っていたとしてもずさんである。

 第二に、共同執筆者と査読者のチェック機能が不足している点。共同執筆者は自分の名前が論文に載る以上、論文に疑義が生じた場合、連帯責任を負わされる。これほど大きな発見であれば他の研究者からどのような反応が来るか予想すべきだし、慎重に論文の内容を検討すべきである。また、査読者は不明な点を徹底的に追及すべきであり、不明点が解消されない場合、リジェクト、つまり論文の差し戻しという方法をとるべきである。

 研究室ではゼミで教授や助教からさまざまな質問を受けながら、対外的に発表できる品質の論文を作成する、というのが私の知っている論文作成の形である。気象学や水文学の分野では乱流や降雨という再現が困難な現象を扱うため追試が困難である。結果的に日時と場所を限った降雨イベントの観測やシミュレーションによるケーススタディの積み重ねで確からしい法則を見いだしていく。再現性が困難であるからこそ、徹底的な批判を行ない、それでもなお、事実として認められるものを発表するものである。だから私は何でこんなことが起こっているのか分からないのである。

 この主張を見る限り、小保方さんサイドの分は悪い。もし、私が小保方さんサイドの立場ならさっさと謝罪してしまう。日時と場所を指定する実験であれば一例の提出という形で見解の相違に持ち込むことができるが、薬学や生命科学は再現性が絶対である。

 それでも承服できないとコメントするというのは自らの研究に絶対の自信を持っているのか、誰かが小保方さんか代理人弁護士に入れ知恵をしたのか、邪推してしまう。

 調査委員会の調査報告書(3月31日付け)を受け取りました。驚きと憤りの気持ちでいっぱいです。特に、研究不正と認定された2点については、理化学研究所の規程で「研究不正」の対象外となる「悪意のない間違い」であるにもかかわらず、改ざん、ねつ造と決めつけられたことは、とても承服できません。近日中に、理化学研究所に不服申立をします。

小保方氏「捏造認定、承服できない」 不服申し立てへ:朝日新聞デジタル

 この状況でそのように主張することでどのような利点があるのかも想像できないし、私の思いもよらない陰謀が渦巻いているのではとも思ってしまう。4月1日の会見と小保方さんの反論ということで、ひょっとしてエイプリルフールネタとも思ってしまう。あるいはミュンヒハウゼン症候群か、など。関係者の思惑が本当によく分からない事件である。

 関連:STAP細胞論文の疑義が分からない

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