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田中正造の美談と話し合い

 合意形成の難しさは私も大学で習ってよくわかっているつもりだが。

 田中正造は衆議院議員として足尾鉱毒事件の解決に尽力し、職を辞した後も明治天皇へ直訴したことが美談として語られている。小学校の国語の教科書にそのような文章が書かれていた。小学生の私もそれを読んで周囲から孤立してもなお鉱毒の害と防止を訴える田中正造の姿に心を打たれたものだ。

 一方、現代に目を向けてみると、鉱毒による害は減っているかもしれないが、事業の賛成と反対は多く叫ばれている。八ッ場ダムや川辺川ダムといったダムや、外環と東名のジャンクションや圏央道高尾山ICといった道路の設置など例はいくらでもある。

 賛成派と反対派のお互いが100%納得する解決案というのはあまりない。お互いがこう着状態にあるとき、解決の方法としては司法に訴える、議員へ陳情する、行政代執行するといった方法がある。

 田中正造の行動を現代に置き換えてみると、総理大臣や知事へ直接会って事業の反対を訴えるといったところだろうか。その行為は訴える側にとっては乾坤一擲、一か八かの大逆転であるが、訴えられる側にとってはこれまで下打ち合わせで積み上げてきたすべてがぶち壊しになり、訴える側が100%の納得、訴えられる側が0%の納得、という結論になる。また、訴える側も世論を味方につけることができれば勝ち目はあるが、世論が少しでも疑義をはさめば孤立するおそれがある。孤立してもなお事業の反対を訴えるのはヒロイズムとして評価はされても、日本においては後ろ指をさされてあまり評価はされない。

 お互いの信頼関係を損なわずに合意形成を行うには、お互いが70%、80%ほどの満足度を目指して話し合いをしながら妥協点を見つけていくのがよい、と私は思う。それには話し合いの場を設け、お互いの100%の目標を提示し、相手への理解を示した上で譲歩を繰り返していくのがよいと思う。時間はかかるし、交渉の得手不得手はあるだろうが、泥臭くてもそれが現代の合意形成の方法として適しているのではないかと思う。

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  1. 2013/02/05(火) 23:43:53|
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