島ノ中ニ有リblog

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各章のテーマ - 野矢茂樹「哲学の謎」(3)

 時間の経過とは何なのか - 野矢茂樹「哲学の謎」(2)のつづき。

 読み終わったので、メモがわりに各章のテーマをざっと挙げてみる。

意識・実在・他者
自分の世界・他人の世界・実在の世界の関係、哲学的ゾンビ
記憶と過去
世界五分前仮説、記憶の位置づけ
時の流れ
自分の時間と絶対的な時間、「いま」とは何か
私的体験
私が「赤」と呼ぶ感覚は、他人と共通か。
経験と知
帰納的な法則は未来でも成り立つか
規範の生成
正常と異常の相対化、学習のメカニズム
意味の在りか
固有名詞と一般名詞をどうやって区別するのか
行為と意志
行為と意志は区別できるのか、「腕を上げよう」と思って腕を上げているわけではない
自由
決定論的な世界

 「はじめに」で大事な問題を、へぼな答えで謎としての生命力を失わせないよう、謎のまま取り出してみたかったのであるP.5)と書かれているように、この本の中で謎は解決していない。著者の思考過程を提示し、あとは読者に想像を任せている。

 なお、この本では哲学的な解説は一切なく、著者の思考のみで構成されている。いわば哲学の本質を取り出した本であって、それを取り巻く名だたる哲学者たちの思想は書かれていない。つまり、哲学史を学ぶのには向かない。


哲学の謎 (講談社現代新書)哲学の謎 (講談社現代新書)
(1996/01/19)
野矢 茂樹

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  1. 2010/09/30(木) 00:02:11|
  2. 書評 - 哲学
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海に囲まれた淡水池・沼津市神池


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 今日、晩飯を食べ終わった後、テレビ朝日の「ナニコレ珍百景」という番組を見ていたら不思議な池が紹介されていた。

 沼津にある神池という池で半島の突端にあるのだが、周囲が海に囲まれているにもかかわらず淡水の池なのだそうだ。

 一説によると富士山から伏流水が湧き出ている、などとする説もある一方、海水面の上下に従って水面の高さが変わるとも言われており、何故淡水池であるかは明らかにされていません。

大瀬海浜商業組合・大瀬神社

 Wikipediaには以下のように書かれており、いまだ調査はなされていないそうだ。

 古くから池を調べたり魚や動植物を獲ったりする者には祟り(たたり)があるとされ、また実際に池の水が層状に分かれていた場合などに機材や人などが池に入ると取り返しのつかない環境破壊となる恐れが強いこと、透明度が低く池の底の観察が難しいと考えられること、などから今もって詳しい調査はなされていない。

大瀬明神の神池 - Wikipedia

 この池、鯉も住んでいるらしい。風呂に入りながら考えてみた。

 雨水だけで鯉が住めるほど恒常的な水位を保てるとも思えない。雨水だけで説明できないとなれば、湧水か海水淡水化くらいしか思い当たらない。自然に海水が淡水化するとも思えないので、水の供給源は湧水だろう。

 地図を見るとどうやら急峻な地形にあるらしいので、砂が堆積してできた岬ではなく、地質はおそらく岩で構成されているのだろう。その上で、以下のようなモデルを考えてみた。

kamiike.png

↑私の考えた神池モデル

 私の考えた神池モデルは地表面に不透水層が広がっている。その下に透水層があり、不透水層の亀裂から被圧地下水が湧昇してくるというモデルである。

 ただこのモデルだといくつか説明できない点がある。

 実に不思議な池だ。観測によって現状を乱す恐れがあるから観測できないというのがまた歯がゆい。

  1. 2010/09/29(水) 23:32:54|
  2. 地図・県境・都市河川
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トウモロコシ畑に出現した水たまり

 トウモロコシが刈り取られたのつづき。

 連日の雨のためか、畑に水たまりができていた。

 この畑はもともと台地上の平坦地で水がたまりやすい場所ではない。だからこそ田んぼではなく畑にしていると思う場所だ。

 ここでこんな水たまりを見るのは初めてなので、相当な雨が降ったのだろう。各地にある「幻の池」も出現しているのではないだろうか。

100929mizutamari1.jpg

↑刈り取られたトウモロコシ畑にできた水たまり

100929mizutamari2.jpg

↑レンコン畑みたいになってる

  1. 2010/09/29(水) 00:18:42|
  2. 通勤途上にある畑
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東工大にセブンイレブンがあった

 今日、留学生がドクターを卒業し、国に帰ると聞いて、研究室へお別れ会に行ってきた。

 帰りにキャンパス内を歩いて、2枚写真を撮ってきた。

100927tokyotech1.jpg

↑大岡山南のブロック舗装。前はアスファルトだった。

100927tokyotech2.jpg

大岡山南4号館にできたセブンイレブン

 前はコンビニなんてなかったし、生協と競合するからコンビニができるとは思っていなかった。国立大学法人になっていろいろ変わったのだろう。

  1. 2010/09/28(火) 00:51:57|
  2. 東京
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電車が動くとき立てかけたザックが倒れる条件

090901zack.jpg

↑荷造りしたザック。重い。

 山に行くとき、列車の座席の端っこにザックを立てかけていることが多いのだが、列車が発車・停車するときにザックがよく倒れる。

 パッキングと置き方が下手なのもあるのだろうが、倒れたザックを直しながら、列車の加速度がどれだけのときにザックが倒れるのか計算してみようと思っていた。

 このたび計算してみたので以下に書く。

 条件は以下のとおり。

hashigo.png

↑諸条件を書き込んだ図

 このとき水平方向(→)、鉛直方向(↑)の力の釣り合いの式、点Aまわり(時計回り)のモーメントの釣り合いの式は以下のようになる。

 未知数はNANBFaの4つあるが、条件からザックが倒れる瞬間、NB=0となるので、これを代入すると解くことができる。

 と、ザックが倒れる瞬間の列車の加速度 a は重力加速度 g とザックの傾き θ の簡単な式で示せた。

 例としてどのくらいの角度でザックが倒れてしまうのか計算してみることにした。

 まず、重力加速度は g = 9.8 m s-2である。

 列車の加速度はよく分からないのだが、調べてみると関東の通勤形電車の方が平均的に3.0km/h/s以上としている例が多い起動加速度 - Wikipedia)らしいので、3.0km/h/sを採用する。MKS単位系が統一されてなくて気持ち悪いので、単位を m s-2に合わせると、3.0 x 1000 / 3600 = 5/6 m s-2

 これを式(1)に代入すると、次のようになる。

5/6 = 9.8 / tan θ

 tan θについて解くと、以下の通り θ = 85 degrees となる。途中で π/180 をかけているのはラジアンから度への変換のため。

atan(9.8*6/5)/pi*180 - Google 検索

 つまり、85°よりザックを倒してやれば、列車の発車・停車時にザックが倒れないことになる。

 直感的には80°くらいに傾けていてもザックが倒れてしまう気がするが、ザック内の密度も一様ではないし、加速度も下り坂など条件によっては大きいから合わないのだろう。

  1. 2010/09/26(日) 00:42:35|
  2. 科学全般
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ラーメン希(のぞみ)

 今日、勝田台でバスの待ち時間でラーメンを食べた。南口アーバンホテル裏のラーメン希(のぞみ)に行った。

100924nozomi1.jpg

↑ラーメン希(のぞみ)

100924nozomi2.jpg

↑しょうゆラーメン600円

 スナックみたいな名前の割に、店にはごつい主人が一人で切り盛りしていた。23時過ぎで客は私を入れて3人。

 しょうゆラーメン600円を頼む。雰囲気は家系ラーメンに似ていてほうれん草みたいなナッパが乗っているのも共通である。麺は太くもなく細くもないくらい。スープは豚骨だろうか、少々しょっぱかった。


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  1. 2010/09/25(土) 01:02:32|
  2. ラーメン
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将門と七ツ石 - 奥多摩民話の会編「おくたまの昔話」第一集

 ちょっと趣向を変えて、絵本の「おくたまの昔話」を読んでみた。第一集から第三集まであるが、とりあえず第一集だけ読んだ。

将門と七ツ石

 一千年もの昔、時の朝廷にそむいて兵を挙げた平将門も、ついには関東征覇の夢やぶれ、山深い七ツ石山まで落ちのびてきました。

 一方、将門を追って来た弓の達人俵藤太は、三頭山まで来て、やっとはるか向かいの七ツ石山頂に将門らしき人影をとらえることができました。

 藤太は弓で射ようとしたが、同じ装束をした武者が七人いて、どれが将門か見分けがつきません。困った藤太は、信仰する成田山の不動尊に一心に祈ったところ、

 「影武者六人はわらで作られし人形なり、朝生きて、将門顔を洗いしおり、湯気立ちのぼり、白き息あぐるを打て」とのお告げがありました。

 次の日の朝、藤太は七ツ石山に立ち上る白煙めがけて、強弓をキリリと引き絞り、矢を放った。矢は遠く飛び、ねらいたがわず将門を打ち倒すことができました。

 ところで、将門を英雄として崇拝する奥多摩の人々の中には、このことをうらんでか、今でも成田不動尊を決して信仰しない人もあるといいます。

奥多摩民話の会編「おくたまの昔話」第一集(図書印刷株式会社,1988)P.64-65

 将門の最期は首を持って帰ったというので、七ツ石山みたいな山の中ではないだろう。でも山頂に巨石が転がっているさまから、そのような逸話が生まれてもおかしくない。日本各地にある弘法大師の伝説と同じようなもので、関東だから将門になぞらえたのだろう。

 一方、成田不動尊は、将門征伐のために不動明王を京都から運びそれを本尊として安置しているという。横芝光町に成田山御本尊不動明王御上陸之地があり、その看板を読んだから知っていた。

 ところで千年もの昔のことにもかかわらず、将門を崇める人たちは成田山を参詣しないそうだ。会津と薩長は150年経っても仲が悪いとは聞いたことがあるが、1000年も忌避するというのは驚きだ。まあ、世界に目を向ければ2000年以上たってから国を再建したイスラエルみたいな国もあるけど。


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  1. 2010/09/24(金) 00:53:06|
  2. 書評 - 民俗学
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時間の経過とは何なのか - 野矢茂樹「哲学の謎」(2)

 私が死んだら世界は終わるけど、世界は終わらない - 野矢茂樹「哲学の謎」(1)のつづき。

 「時よ止まれ、そなたは美しい」とはゲーテのファウストの言葉だが、私たち凡人も「このまま時間が止まればいいのに」と思うことがある。旧友と語らうとき、テストの日が近づいているときなどいろんなケースがある。

 時間の経過とは何なのか、時間は止まるのか、他者の意思で時間が止まったら私はそれに気づかないのだろうか。時間に関してはいろんな疑問が生じる。とりわけ数学や物理でも、空間と並んで座標の一軸を担う割に実態がないし、不思議なパラメータである。

 野矢茂樹「哲学の謎」では、時間の停止について論じ、そのあと、宇宙年表(客観的な時間の推移)と独今論(主観的な時間の推移)について述べている。

 ーーいや、ね。いま時間が止まったら、世界はこのままの状態で凍りついてしまう。そして、しばらくして氷が溶けるようにしてまた動き始める。つまり、時間の中断。ゆうべ、誰も気づかないときにそんなことがあったかもしれないだろ?

野矢茂樹「哲学の謎」(講談社現代新書,1996)P.56

 私もこの点を考えたことがある。例えば動かないイスをずっとビデオカメラで撮影したとして、そこから時間の変化を読み取ることができるのかと考える。あるいは延々と線対称に繰り返す振り子を撮影して、それが順再生なのか、逆再生なのか分かるのかと考える。

100923chair-video.png 100923furiko-video.png

 私は変化があるから時間がある ― 滝浦静雄「時間 その哲学的考察」その1と述べたように、時間の本質は変化だと思っている。上にあげた例は、イスの変化がないので時間の変化は読み取れない、振り子は順再生か逆再生か分からない、が私の答えである。

 あるとき、速度の定義、v = dx / dtv:速度、x:変位、t:時刻)から、逆に時間を定義できないか考えたことがある。つまり、時間tを変化を表わす速度vと変位xで表せないかと考えたのである。でも積分変数tについて上式を解くことはできず、諦めてしまった。


哲学の謎 (講談社現代新書)哲学の謎 (講談社現代新書)
(1996/01/19)
野矢 茂樹

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  1. 2010/09/23(木) 18:08:13|
  2. 書評 - 哲学
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私が死んだら世界は終わるけど、世界は終わらない - 野矢茂樹「哲学の謎」(1)

 野矢茂樹「哲学の謎」を読んでいる。哲学の先生らしいが、あえて専門家という立場を離れ、こどものような純粋な疑問から哲学の謎に迫ろうとしている。「はじめに」には以下のように書いてある。

 しかし、それでも、どうにかしてなけなしの知的闊達さを鼓舞し、哲学の謎たちに立ち向かい、右往左往している自分自身の姿を描き出してみたかった。明確な答えがあるわけではなく、それゆえうまく論文にのせることができないでいる、しかし、だからこそ大事な問題を、へぼな答えで謎としての生命力を失わせないよう、謎のまま取り出してみたかったのである。

野矢茂樹「哲学の謎」(講談社現代新書,1996)P.5 はじめに

 平易な文章で書いてあるので、鷲田清一「じぶん・この不思議な存在」や永井均「<子ども>のための哲学」のように講談社現代新書ジュネスにすれば、中高生も読むだろうにと思う本である。

 それで、本題の「私が死んだら世界は終わるけど、世界は終わらない」というタイトルは本から抜粋したのではなく、私が考えた。筆者は世界が概ね3つに分けられると考えているようだ。1つは私の世界、もう1つは他人の世界、最後に実在の世界。

 ーーあのさ、あまり考えたくない想像だけど、世界に生き残った生物がぼくと君だけだったとする。まあ、おっつけ絶滅だけどね。

(中略)

 ーーそのとき、ぼくの意識の世界と君の意識の世界と実在の世界の三つの世界があることになるのかな。

(中略)

 ーーそれがなんだかうさんくさいんだ。君と僕は同じ実在の世界に住みながら、と同時に異なる意識の世界に住んでいる。

野矢茂樹「哲学の謎」(講談社現代新書,1996)P.15

 「存在する」の自分なりの定義で述べたように、「私」は椅子を知覚することでその存在を確かめている。しかし、もし脳に幻覚を見せることができ、実際には椅子を見ても触っていないのに、知覚することができたらどうだろうか。椅子は「私」には存在するが、「実際の世界」には存在しない。このように考えると、「私の世界」と「実際の世界」の2つを想定しなければならない。さらに他の人も同じように世界を知覚しているとすると、「他人の世界」を想定しなければならない。結局、「私の世界」「他人の世界」「実際の世界」の3つが存在することになる。

100923chair.png

 その観点は私も完全に賛成である。

 ただ、ここに問題がある。私が死んだら「私の世界」は終わりそうな気がするのだが、「実際の世界」は終わらない気がするのである。本ではこの理由を信念のレベルが異なるP.25と表現している。

 私なりの根拠は記憶にある。私は私が生まれてからの記憶しかなく、生前の記憶がない。したがって「私の世界」は生まれると同時に始まっている。一方、私が生まれる以前の世界、例えば江戸時代とかジュラ紀とか、もどうやらあったようで、それは古文書や化石といった証拠から「その時代があった」と結論づけるのが妥当である。つまり「実際の世界」は私の生前から続いているようである。

 私の死生観 - 丸山圭三郎「言葉と無意識」(2)で触れたように、これを私の死後に置き換えれば、「私の世界」は私の死と同時に終わるし、「実際の世界」は私が死んでも続くだろうと言える。それがこのエントリの意味である。

 私の考える世界の構造は次のような図である。

100923world.png

 Aさん(私)の世界とBさん(他人)の世界があり、お互いは同じ対象を知覚するときは重なるし、それ以外の時は重ならない。一方、実際の世界がAさんとBさんを囲むように存在する。世界五分前仮説を導入すれば「実際の世界」なんてものはいらないのだが、直感には反すると思う。


哲学の謎 (講談社現代新書)哲学の謎 (講談社現代新書)
(1996/01/19)
野矢 茂樹

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  1. 2010/09/23(木) 01:12:33|
  2. 書評 - 哲学
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うどん食べたり沢登りしたりした夢

 9月18日に続いてまた夢の話。

 初めの場面は大学のサークル棟の中。でも、廊下のない四畳半から六畳くらいの小部屋ばかり、窓のない建物で、まるで蜂の巣のようだった。どの部屋も人で賑わっていて、麻雀してたり、ごろ寝してたり、おしゃべりしてたりしていたが、私はそこで何をしようとしていたのかよく分からない。

 次の場面はどこか地方の立ち食いうどん屋。旅行しているのか、里ワンの帰りなのか、バスを待っているのだが、そのバスターミナルみたいなところにうどん屋があって、そこで後輩のAと一緒にうどんが出てくるのを待っていた。長く待って出てきたうどんは天ぷらの皿に天ぷらと茹で上がったうどんが盛られている、パスタみたいな変なうどんだった。変なうどんだったが、味はまずくはなかった気がする。

 最後の場面では沢登りしていた。シレイ沢のような滝が多く、しかも荒沢本谷のような大きな滝がある沢だった。登れない滝なので巻いて登っていると、脆いシルト混じりの砂岩のルンゼ、それもウォータースライダーのような溝に出て、そこを登って行くと砂利道の車道に出た。沢に戻るのも面倒なのでその車道を登ると2回ほど折り返して広いところに出た。

10arasawa_061.jpg

↑こんな滝が続いていた。写真は上越・魚野川荒沢本谷の中ノ大滝。

 そこは大きな堰となっていて、しかも砂防目的らしくバックウォーターはすべて埋まり、印旛沼の干拓地みたいな風景が広がっていた。沢登りをしていたのに、そんな風景が広がることに少々拍子抜けしてしまった。堰の上には川が流れており、幅広で浅かった。その川を渡り、向こうにたどり着くと堰の監視室のようなものがあり、中に入った。

 中はごく狭く、暗かった。川の下流側に窓がついていて、そこで窓の鍵をいじっている人がいた。鍵が壊れているといったが、私が触った分には正常に動くようだった。窓から外を見ると堰の下流は見えず、そこは劇場か教会みたいなところで、私がいるところは舞台袖みたいなところだった。舞台袖から舞台へ出て誰かと話をしたが、そのへんで記憶が途切れている。

  1. 2010/09/22(水) 13:02:17|
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現在の国体の山岳競技は室内クライミングだけらしい

 今年の国体は千葉である。

 国体には山岳競技がある。山岳競技というと、山の中をかけっこしてタイムを競ったり、テントの張り方、気象図の書き方などを競う高体連の競技しか知らないのだが、私は競技に出たことがないのでそれすらもよく知らない。

 で、国体の山岳競技は具体的にどのようなことが行われるのか少し気になっていたが、こないだ高校の山岳部のOBに電話したとき、「どうも室内クライミングしかないらしいよ」と聞いた。

 近年のクライミングブームは知っていたが、まさか従来の山岳競技もなくなってしまったとは思わなかった。驚いた。でも、従来の山岳競技は地味で見る人も少ないだろうし、確かに競技人口も拡大している室内クライミングの方が人が集まるだろう。

 何だか両神山の赤岩尾根に行ったときのことを思い出してしまった。

 三峰口ではマットレスを持った集団が10人ほどおり、中津川行きのバスに乗って光岩というバス停で降りていった。どうやらクライマーの集団らしい。私と同じくらいの歳だったが、やはり時代はしんどい登山よりもスポーツ気分で楽しめるボルダリングなのだろうか、となんかしょんぼりとした。

2004年秋 - 上武国境・赤岩尾根の記録[1/2]

 でもいまやそういう人が多数派になっていくのだろうな。

第65回国民体育大会 山岳
http://www.kokutai-2010chiba.jp/kokutai/modules/kyogi/index.php/sangaku.html
  1. 2010/09/21(火) 00:07:30|
  2. 登山
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トウモロコシが刈り取られた

 トウモロコシに実がなってきたのつづき。

 トウモロコシ畑が機械で刈り取られていた。茎も葉も実もまとめて刈っていたようだが、このあと実を分けるのだろうか。それともまとめて飼料として牛にやるのだろうか。

100919corn.jpg

↑機械で刈り取られたトウモロコシ畑

 背の高いトウモロコシがなくなったので、しばらくひろびろとした畑を見られそうだ。

  1. 2010/09/20(月) 21:01:51|
  2. 通勤途上にある畑
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潅木(かんぼく)と喬木(きょうぼく)

09manza_20.jpg

↑山田峠西の2120m峰下りのシャクナゲのヤブ。写真下部に私の足。(2009年秋 - 上信・万座山より)

 恥ずかしながら意味も知らずに使ってきた言葉がある。

 「潅木」である。「ヤブに混じっている木」くらいの意味でいままで使ってきたのだが、ちゃんとした意味があった。

 辞書によればその意味はなんと、「低木(ていぼく)」に同じかんぼく【灌木】の意味 - 国語辞書 - goo辞書。調べてみるとどうやら以下のような対応のようだ。

意味低い木高い木
現在の表現低木高木
古い表現潅木喬木

 言われてみれば「低い木」のことだと納得するが、知らなかった。

 新聞の夕刊のクイズで知ったのだが、目からウロコが落ちた。

  1. 2010/09/19(日) 01:15:27|
  2. ことば
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多摩川源流の古い街道筋を歩いた夢

 久しぶりに夢の話。

 晩秋に多摩川源流の古い街道筋を塩山側から青梅方面へ向かうという設定で、一人でザック背負って歩いていた。国道411号青梅街道のような、でもすでに廃道になっている道で未舗装の部分もあった。ちょうど旧中山道の碓氷峠越えみたいな道で、未舗装でも幅は広かった。

 落ち葉の道を歩き始めてすぐ、広い道を塞ぐように倒壊した木造の建物が建っていた。小学校くらいの大きさで、まだ夜露は十分にしのげる程度には形が残っていた。私は途中でテント泊するつもりだったので、ここで泊まろうかと思ったが、まだ時間が早いので先を進むことにした。

0812fuji_006.jpg

↑廃屋のイメージ(富士山吉田口3合目

 次の場面では舗装道で、田んぼの広がる谷地の端の道を歩いていた。ちょうど青梅方面のバスが折り返す場所で、近くの山への道案内の標識が見られた。そこに住んでいる人に話しかけられたが、私は無視して青梅方面へ歩いていた。バスに乗ればすぐ帰れたのに、なぜそのまま舗装道を歩いていったのかはよく分からない。

 その次の場面ではだいぶ街がひらけていて、傾斜もなく、街道沿いに高校があった。授業が終わったところなのか、学生がたくさん歩いていて、その中に混じりながら駅へ向かっていた。街道をバスが走っていたが、もう駅が近いので私はバスに乗らなかった。

 最後の場面では私は帰りの電車に乗っていた。どの経路で帰るのが速いのか考えていて、発車する寸前の列車からホームへザック抱えて飛び降りた。そのあとはよく分からない。

 それでも私の夢にしては割に一貫した物語だったのでよく覚えている。

  1. 2010/09/18(土) 15:35:44|
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X11を入れ替えてもMacportsの再インストールをしてもWineの更新ができなかった

 Wineの最新版をインストールしようと思ったらXが起動しなくなったのつづき。

 まず、X11の入れ替え。X11のアップデートを行う。

 そのあとでまたコマンド sudo port install wine-devel を入力。

$ sudo port install wine-devel

Password:

Portfile changed since last build; discarding previous state.

(中略)

---> Activating xorg-renderproto @0.11.1_0

Error: Target org.macports.activate returned: Image error: /opt/local/include/X11/extensions/render.h is being used by the active render port. Please deactivate this port first, or use 'port -f activate xorg-renderproto' to force the activation.

Log for xorg-renderproto is at: /opt/local/var/macports/logs/_opt_local_var_macports_sources_rsync.macports.org_release_ports_x11_xorg-renderproto/main.log

Error: The following dependencies failed to build: xorg-renderproto

Error: Unable to upgrade port: 1

Error: Unable to execute port: upgrade xrender failed

To report a bug, see <http://guide.macports.org/#project.tickets>

$

 やっぱりエラーが出てダメ。

 Mac って何?それって美味しいの? Mikuinstaller の Wine バージョンアップの下のコメント欄に載っている、sudo port selfupdate && sudo port upgrade outdated を試すが、これもダメだった(下記参照)。

$ sudo port selfupdate && sudo port upgrade outdated

Password:

---> Updating the ports tree

---> Updating MacPorts base sources using rsync

MacPorts base version 1.9.1 installed,

MacPorts base version 1.9.1 downloaded.

---> MacPorts base is already the latest version

The ports tree has been updated. To upgrade your installed ports, you should run

port upgrade outdated

---> Computing dependencies for xrender

---> Dependencies to be installed: xorg-renderproto

---> Activating xorg-renderproto @0.11.1_0

Error: Target org.macports.activate returned: Image error: /opt/local/include/X11/extensions/render.h is being used by the active render port. Please deactivate this port first, or use 'port -f activate xorg-renderproto' to force the activation.

Log for xorg-renderproto is at: /opt/local/var/macports/logs/_opt_local_var_macports_sources_rsync.macports.org_release_ports_x11_xorg-renderproto/main.log

Error: The following dependencies failed to build: xorg-renderproto

Error: Unable to upgrade port: 1

To report a bug, see <http://guide.macports.org/#project.tickets>

$

 さらにMacPortsの再インストールを試みる。

 方法はMacWikiMacPorts を再インストールしたいに従った。

 念のため、Terminalからsudo port selfupdate && sudo port syncする。

 その次にMikuInstallerのインストール(ドラッグアンドドロップ)。

 で、改めてコマンド$ sudo port install wine-develを打ち、就寝。

 しかし、朝起きたら600行ほどでエラーが出て止まってしまった。

Error: Target org.macports.configure returned: configure failure: shell command failed

Log for xorg-libXi is at: /opt/local/var/macports/logs/_opt_local_var_macports_sources_rsync.macports.org_release_ports_x11_xorg-libXi/main.log

Error: The following dependencies failed to build: mesa xorg-libXi xorg-libXmu xorg-libXt xorg-libsm xorg-libice xorg-libXcomposite xorg-compositeproto xorg-libXcursor xorg-renderproto xrender xorg-libXinerama xorg-xineramaproto xorg-libXrandr xorg-randrproto xorg-libXxf86vm xorg-xf86vidmodeproto

Error: Status 1 encountered during processing.

To report a bug, see <http://guide.macports.org/#project.tickets>

 訳すと以下のとおり。

 エラー:目標 org.macports.configure は返しました。:一括バッチ処理に失敗しました。:シェルコマンドは失敗しました。

 xorg-libXiへのログは /opt/local/var/macports/logs/_opt_local_var_macports_sources_rsync.macports.org_release_ports_x11_xorg-libXi/main.log にあります。

 エラー:以下の依存性はビルドに失敗しました。:mesa xorg-libXi xorg-libXmu xorg-libXt xorg-libsm xorg-libice xorg-libXcomposite xorg-compositeproto xorg-libXcursor xorg-renderproto xrender xorg-libXinerama xorg-xineramaproto xorg-libXrandr xorg-randrproto xorg-libXxf86vm xorg-xf86vidmodeproto

 エラー:処理の最中にステータス1に遭遇しました。

 バグを報告する方法は<http://guide.macports.org/#project.tickets>を見てください。

 前回とエラーメッセージが変わっていない上、依存性の問題でビルドできないプログラムが増えた。

 port outdatedしても、No installed ports are outdated.と返されるし、port upgrade installedしても、何の返事もなく次のコマンド待ちになるだけである。

 よくわからん。

  1. 2010/09/17(金) 00:10:33|
  2. PC on Mac
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Chrome 6でPDF Viewerを有効にする

 9月はじめにChrome 6がリリースされた。新機能については【レビュー】Chrome 6、新機能まとめ | エンタープライズ | マイコミジャーナルに詳しい。

 その中でも待望のPDFビューワーが内蔵されている。しかしデフォルトで有効になっていないので、有効にした。

100914chromeplugin1.png

↑Chromeのアクセスバーからchrome://pluginsへアクセス、Chrome PDF Viewerを有効にする。

100914chromeplugin2.png

フィボナッチ数列の隣接二項間の比はn→∞のとき黄金比に近づくPDFファイルにアクセスしたようす。Chrome上で開ける。

 いままでPDFファイルは毎回ダウンロード対象になっており、いちいちダウンロードしてMacOSXのプレビューで見ていたのだが、これでダウンロードの手間がなくなった。

  1. 2010/09/16(木) 00:09:57|
  2. コンピュータ
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Wineの最新版をインストールしようと思ったらXが起動しなくなった

 MikuInstallerで秀丸エディタを実行するのつづき。

 その後、いろいろ調べるとインターフェースとしてのMikuInstallerのバージョンは上がっていないものの、中身のWineのバージョンは上がっていることがわかった。ならばWineを最新版にしたくなるのが情というもの。Mac って何?それって美味しいの?Mikuinstaller の Wine バージョンアップを参考に進めた。

 が、【3.Wine 最新版をインストール】でコマンド$ sudo port install wine-develを打ったところでエラーが出て止まってしまった。

$ sudo port install wine-devel

|(中略)

Error: The following dependencies failed to build: mesa xorg-libXi xorg-libXcursor xorg-renderproto xorg-libXinerama xorg-xineramaproto xorg-libXrandr xorg-randrproto xorg-libXxf86vm xorg-xf86vidmodeproto

Error: Status 1 encountered during processing.

$

 エラーの内容を読むと、以下のとおり。

 エラー:以下の依存性はビルドに失敗しました。mesa xorg-libXi xorg-libXcursor xorg-renderproto xorg-libXinerama xorg-xineramaproto xorg-libXrandr xorg-randrproto xorg-libXxf86vm xorg-xf86vidmodeproto

 エラー:処理の最中にステータス1に遭遇しました

 そうしたらその後/Applications/Utilities/X11.appが起動しなくなってしまった。X11が起動しないからGimpも起動しないわけで、少々困った。といっても最近画像編集はSeaShoreで済ませることが多いのでひどくは困っていない。

 でもX11が起動しないのは気持ち悪いので、X11の再インストールが必要かもしれない。

 つづき:X11を入れ替えてもMacportsの再インストールをしてもWineの更新ができなかった

  1. 2010/09/15(水) 22:24:40|
  2. PC on Mac
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MikuInstallerで秀丸エディタを実行する

 MikuInstallerで今昔マップ2を使おうとしたが実行できないのつづき。

 そもそも今昔マップの問題ではなく、MikuInstallerの問題ではないか、と考え、他のWindowsのソフトで動くのか試してみた。

 とりあえずWindowsで動くソフトとしてInternet Explorer 8のインストールにトライするが、ダメであった。

 次に秀丸エディタを試す。

100822hidemaru_01.png

↑しばらくMikuInstallerのログが表示されたあと、Xからウィンドウが表示された。「はい」をクリック。

100822hidemaru_03.png

↑インストール画面に進んだ。「進む」をクリックし、いくつかのダイアログに答える。

100822hidemaru_04.png

↑インストールが完了した。

100822hidemaru_05.png

↑/Users/[username]/Applications/MikuInstaller/に読めないアプリケーションファイルができていた。ダブルクリックで起動。

100822hidemaru_06.png

↑しかしエラーが出て起動できなかった。

100822hidemaru_07.png

↑気をとり直して/Users/[username]/Library/Application Support/MikuInstaller/prefix/default/drive_c/Program Files/Hidemaru/Hidemaru.exeを起動。

100822hidemaru_08.png

↑秀丸エディタが起動した。

 なんとか秀丸エディタのインストールは成功し、ことえりでの日本語入力もできた。しかし、反応があまりに遅く日本語変換にも時間がかかるくらいで実用にはほど遠かった。単にMacBookの能力不足の可能性があるが、MacBookは簡単に差し替えられないのでしかたない。

 つづき:Wineの最新版をインストールしようと思ったらXが起動しなくなった

  1. 2010/09/15(水) 22:24:07|
  2. PC on Mac
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トウモロコシに実がなってきた

 トウモロコシに房ができてきたのつづき。

 トウモロコシに実がなってきた。黄色い葉も増えてきていよいよ秋の始まりらしい。

100914corn1.jpg

↑実がなったトウモロコシ

100914corn2.jpg

↑他のトウモロコシも葉が黄色くなってきた。

  1. 2010/09/15(水) 00:13:38|
  2. 通勤途上にある畑
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京成八幡駅前の再開発

 唐松岳~五竜岳の縦走の帰り、本八幡で京成に乗り換えたら京成八幡駅の駅舎と駅前の雑然とした商店街が仮囲いに囲われてすべて壊されていた。

100905yawata1.jpg

↑千葉街道から見た仮囲い。中は壊されて何も無い。

100905yawata2.jpg

↑京成八幡駅駅舎。こんな高い建物だったっけ。

100905yawata3.jpg

↑京成八幡駅入口。仮足場が組んである。

 駅前の再開発と合わせて駅舎も立て直すのだろう。でもこのあたりは高架化の予定はないのかな。京成八幡の上野寄りの踏切はけっこう車が待っている印象があるけど。


大きな地図で見る

↑京成本線、都営新宿線、国道14号、県道51号に囲まれた領域で再開発しているようだ。

2011年2月7日追記:2011年2月7日に京成八幡駅で乗り換えたところ、京成八幡駅が仮駅舎になっていた

  1. 2010/09/14(火) 00:02:46|
  2. 千葉
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勝田川、高津川について既往の文献を調べてみた

100912chibakasen.jpg

↑左から「千葉市の下水道と河川」、「千葉市の河川」、「水源谷地の研究」

 上記の本を図書館で借りてきて、千葉市の新川勝田川の支流まとめ八千代市の新川高津川の支流まとめを書き直した。

 現在での川の呼称を知りたかったのと、とりあえず私が付けた谷の名前について、すでに命名した人がいるならばその呼称に従うべきだと考えたためである。

 調べた結果、旧・宇那谷川=現・宇那谷1号排水路、旧・小深川=現・宇那谷2号排水路、高津川=現・八千代都市下水路、高津新田支流(仮称)=現・芦太下水路など、いくつか現在での呼称を知ることができた。

 私以前に川に命名している人として齋藤正一郎氏がおり、ワープロ打ちの手作り原稿「水源谷地の研究」が図書館に寄贈されていた。これは勝田川、高津川に限らず、鹿島川、村田川といった市南部の川も含めて千葉市内の谷地の研究を行っている。「谷地」という観点から作成されたものであり、それぞれの川の谷地の数や長さ、湧水量の推定、土地利用状況を調べ、谷地として健全な状態にあるかどうかを判断している。千葉東高校の通信制の講師をしていたようだが、かなりマニアックな報告書で、私以外に誰が読むのだろうとちょっと心配になるくらいである。

 だいたい目的を達することができたので、あとは現地調査をしたいと思う。主だったところは自転車でふらふら写真を撮っているのでそれをまとめるだけだが、めんどうで今はその気が起きない。

参考文献

  1. 2010/09/13(月) 00:07:42|
  2. 地図・県境・都市河川
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山本直樹「レッド」

2011年2月7日追記:山本直樹「レッド」が文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞をとった。また、2011年2月5日に永田洋子死刑囚が獄中で病死したそうだ。

 戦後、関東の県境付近で起きた事件というとどのような事件を思い浮かべるだろう。

 尾瀬の林道建設に反対した平野長靖氏が1971年に群馬・福島県境の尾瀬で遭難死した事件だろうか、あるいは1960年に群馬・新潟県境の谷川岳で起こった宙吊り遺体収容事件だろうか。

 その中でも大きな事件というと、1972年に連合赤軍の起こしたあさま山荘事件と1985年に御巣鷹山に墜落した日本航空123便墜落事故の2つではないだろうか。2つとも群馬・長野県境付近で起きた事件である。

 私は1981年生まれであり、これらの事件を知らない。しかし私の趣味である関東の県境歩きではいずれも現場に近接しているため、必然興味を持った。日本航空123便墜落事故については山崎豊子「沈まぬ太陽」横山秀夫「クライマーズ・ハイ」を読んだ。


 あさま山荘事件は連合赤軍が山岳ベースを転々と移動しながらリンチを繰り返し、妙義山のベースを出たあとあさま山荘に立てこもり、連日報道されたという事件である。事件について私は無限回廊連合赤軍あさま山荘事件Google動画検索で見つかる動画などで知るくらいであった。

 2007年に事件のあった軽井沢レイクニュータウンを歩いたときは起伏の激しい山の中でよくこれだけの別荘地を造成したものだと驚いた。これだけ高いところにあると給水にはいくつかの中継ポンプが必要になる。別荘地なので常に全戸が水を使用するわけではないが、インフラの整備はかなりめんどうだと思った。一方、あさま山荘がどこにあったのか知らないが、山の上にあれば天然の要害となりうると思った。

 また、このあたりは長野側がなだらかで、群馬側が急峻な崖になっている。山岳ベースをおいた妙義山は群馬県なので、冬にこの山を越えて長野県にあるあさま山荘を占拠したのだろう。主な道路は検問が張られていただろうし、そうすると道のない山越えになる。雪の積もった山越えだとかなり厳しいものになるし、いったいどのルートを通ったのだろうと地形図を見ながら歩いた。


 事件の異常性は、思想に大きな偏りはあるものの身体は健全な青年たちがなぜ同志をリンチにかけていったのか、という点にある。思想を純化するとはいえ、死んでしまっては達成できる革命も達成できなくなってしまう。リンチの繰り返しでひとりになってしまっては、革命を起こすのは無理である。外部から閉鎖された集団生活が彼らを異常にしたのだろうと思うが、その過程はどのようなものであったのだろう。ひかりごけ事件のように私は極限状況における人間の行動とその心理には興味がある。普通の人がなぜこんな異常なことをしてしまったのか、ひょっとすると私にもそんなことをする異常性があるのではないだろうか、という気持ちが興味を引き起こすのである。

100912red.jpg

↑赤軍の異常性を垣間見ることができるひとコマ(2巻P.90)

 実は私の父がY社の通信役としてそのとき10日近くあさま山荘で張っていた。「妙義山で臭い浮浪者2人(森恒夫と永田洋子)が見つかった、どうやら連合赤軍らしい」という話を聞いて横川に行き、仕事を済ませた。が、東京に帰ろうと思ったらあさま山荘事件が起きて、その足で軽井沢へ行きそのまま10日近く缶詰になってしまったそうだ。冷たい車の中で毛布にくるまって事件のようすを見守っていたが、ようやく交代要員が来て東京に帰ったら鉄球で山荘を破壊し、警官隊が突入していたそうだ。余談だが、70歳になったいまでも父は「N社は受信料でいい宿舎、いい機材、多量の人材を用意しやがって」とぶつくさ批判する。


 そんなこともあり、県境、事件の異常性、父の話と興味があり、山本直樹「レッド」を買った。とりあえず買ったのは1巻と2巻。

 明確な主人公の設定はないが、京浜安保共闘側は赤城容子(モデルは永田洋子)と赤軍側は岩木泰広(モデルは植垣康博)が中心になって話が進んでいる。1967年の羽田空港火炎瓶事件から話は始まり、2巻の終わりでは谷川博(モデルは坂口弘)が警察の捜索をまくために山岳ベースへ篭ることを提案するところで終わっている。

 ごくシンプルな絵柄で好感が持てるのだが、登場人物が多すぎる上、実名を避けている(関係者がまだ生存しているからだろう)ため、どれが誰なのか1巻末尾の登場人物相関図を見ないと分からない。ちなみに筆者の山本直樹氏はエロ漫画を書くそうで、2巻のベッドシーンはシンプルな絵柄なのになにか艶めかしい。

 以下、関連記事。


レッド(1) (イブニングKCDX)レッド(1) (イブニングKCDX)
(2007/09/21)
山本 直樹

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レッド(2) (イブニングKCDX)レッド(2) (イブニングKCDX)
(2008/07/23)
山本 直樹

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  1. 2010/09/12(日) 01:19:28|
  2. マンガ・アニメ
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武富健治「鈴木先生」

 武富健治「鈴木先生」が面白い。

 主人公の中学校の先生が中学生の引き起こすさまざまな事件に向き合い、生徒と葛藤しながら解決していく物語である。ひとことで言ってしまえば金八先生みたいなストーリー。平成19年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞

 何が面白いのかというと、鈴木先生の苦悩である。鈴木先生は万能ではない。生徒の引き起こす事件を簡単に解決しているわけではなく、その時点その時点で最善と思われる判断を毅然とした態度で生徒に下し、最後には解決に導いている。一方で苦悩しているときは人間的な弱さも見せ、ため息をついたりもする。

 その悩むプロセスと生徒を説得する姿が面白いのだと思う。1学期の終わり、テストの解答を配り終えての鈴木先生の言葉を引用する。

 3年前に受け持った生徒から…「何で鈴木先生はいつも不必要に考えたり悩んだりして苦しんでるの?」って本気で突っ込まれたことがあるんだ

 (中略)

 考えたり苦しんだりしてることーーこれははたで見ているだけでは…本当にちゃんと考えることができているのか悩むことができているのかまでの判別はできない。

 (中略)

 オレに問うた子はーーしっかりと頭の中を動かすことができていなくてーーーその子にとって考えること悩むことというのはーー例えれば机にかじりついてノートを広げたまま頭の中を考えなくてはいけないテーマだけがぐるぐる回って…何のかいもなく疲れて終わる…つまり正確に言えば「考えることも悩むこともできずにいる状態」のことだったんだ…

 だからその子にとってはーーー考えたり悩んだりしている者全てが…自分と同じようにムダに消耗しているようにしか見えなかったんだ…

 (中略)

 どうかこれからもしっかりと考え悩んで成長して欲しい…

武富健治「鈴木先生」4巻@掃除当番その1

 ひとりひとりには今できる限界があるけど、でも考えたり苦しんだりすることで問題を解決し、人は成長する、ということは私みたいな若造にも励ましの言葉だ。

Web漫画アクション - 作品紹介: 鈴木先生(第一話が読める)
http://webaction.jp/title/19.php
文芸漫画家武富健治公式ホームページ 胡蝶社 OXNA.net
http://www.oxna.net/

鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)
(2006/08/11)
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鈴木先生 2 (アクションコミックス)鈴木先生 2 (アクションコミックス)
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鈴木先生 4 (アクションコミックス)鈴木先生 4 (アクションコミックス)
(2008/01/12)
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  1. 2010/09/11(土) 21:21:45|
  2. マンガ・アニメ
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勝田台「麺や田中」たまりそば(しょうゆ)

 今日の帰り、勝田台駅でミスタードーナツがドーナツ1個100円で売っていたので、持ち帰りのドーナツを買っていたらバスが行ってしまった。時刻表を見ると次のバスまで20分待ちなので、たまには家まで歩いて帰るかと歩き始めた。と、駅前バス通りと平行な八千代高校側の2本目の通りを歩いていたら新しくラーメン屋ができていた。腹も減っていたので入ってみた。

100910menyatanaka1.jpg

↑麺や田中の外観。店名がでかい。プレハブみたいな簡易な造り。

100910menyatanaka2.jpg

↑たまりそば(しょうゆ)650円。

 普通のラーメンと思われる「たまりそば(しょうゆ)」を注文。スープはだいぶ黒っぽくて煮干のだしが効いていた。麺は細めん。

 店内はカウンターのみ8席ほど。ラーメン屋にしては割に広いスペースだが、主人一人で切り盛りしているようだ。先月8月14日に開店したと店の主人が言っていた。最初に入っていた客と主人が話していたが、その客が出た後、主人が「駅の向こう側のラーメン屋のどてちんの方」と言っていた。ラーメン業界は商売敵というより同志という感じらしい。

 家には飯があるから勝田台で食べることはほとんどないのだが、遅くまでやっているようなので、その時の選択肢にはいいと思う。


この角地。大きな地図で見る
  1. 2010/09/10(金) 22:24:15|
  2. ラーメン
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日清食品がCM撮影のため山から登山者を追い出して問題に

 日清食品がCM撮影のため山から登山者を追い出して問題になったそうだ。どうも槍ヶ岳の山頂で日清ラ王のCM撮影を行うため、撮影クルーが山頂に向かう登山者を止めたようだ。朝日新聞への投書でそれが公に知られるようになったようである。

05kitakama_28.jpg

↑槍ヶ岳山頂。北鎌尾根だと赤矢印の方向から登ってくる。2005年夏 - 北ア・槍ヶ岳北鎌尾根の記録[3/4]より。

 で、9月8日に日清食品が弊社商品のCM撮影に関するお詫びを出してCMの放送を自粛したそうだ。

 そりゃ公の道だから、管理する機関にあらかじめ申請するのが筋だろう。中部山岳国立公園だから環境省の管轄だろうか。でも夏季の槍ヶ岳ではそれが認められないだろう。やるならおすすめは小屋じまいの時期の10月末から11月初め頃である。雪に降られるおそれもあるが、圧倒的に人が少ない。

 夏なら北鎌尾根から登ってくる人も少なくないと思うのだが、北鎌平あたりで「この先通れませーん」とか言って誘導する人を配置しているのだろうか。いなかったらCM撮影中に山頂の祠の前にニュッと顔を出してみたいものだ。

  1. 2010/09/10(金) 00:01:49|
  2. 登山
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ヘチマが網戸にツルを張り出した

 ベランダ角がヘチマに占拠されつつあるの続き。

 唐松岳~五竜岳の縦走をしている間にとうとうヘチマが網戸にツルを張り出した。

 ほっとくと網から外せなくなので、今引っかかっている分をすべて引き剥がした。

 文字通り音もなく襲ってくるので気が抜けない。

100906hechima.jpg

↑とうとう網戸に勢力を張り出したヘチマ

100906kamakiri.jpg

↑ついでにカマキリまでやってきた

  1. 2010/09/09(木) 00:50:34|
  2. 千葉
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着ぐるみを着て高尾山に登ってみた | オモコロ特集

 ネットを見ていたら着ぐるみを着て高尾山に登ってみた | オモコロ特集というアホな企画があった。

 赤ふん富士登山槍ヶ岳山頂でハレ晴レユカイを踊っている人など、エクストリーム・アイロニングに続くようなアホな登山を紹介したが、着ぐるみ高尾山もかなりアホだ(褒め言葉)。ましてや今年の夏は、気象庁が夏の平均気温は、北日本から西日本にかけてかなり高く、北日本と東日本は1946年以降で最も高かった気象庁 | 平成22年報道発表資料と評する夏である。着ぐるみでの運動など熱中症にかかってくださいと言わんばかりだ。


大きな地図で見る

 しかもこの企画、意外なオチがついている。中の人お疲れ様。

  1. 2010/09/08(水) 18:10:07|
  2. 登山
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FC2ホームページは更新を滞らせると削除される

 私が死んだらblog/webpageはどうするか調べてみると、fc2webはほっとくと消されるという旨のアナウンスは見つけられなかったと書いたが、別件で調べていたら、ほっとくと消される旨のアナウンスを見つけた。

12.長期間更新が見られないサイトおよび管理不行き届きのサイト

 長期間更新が滞っており、かつホームページの所有者と連絡が取れないサイトは、当方の裁量により削除する場合があります。

FC2ホームページ - 無料ホームページ作成

 死んだら更新できないし、かつホームページの所有者と連絡が取れないので、FC2の裁量で消されるそうだ。無料サービスだし、それならそれでしかたあるまい。

 あと、この条項を読んでいて気になったのが、以下の条項。

1.ファイル置き場としての利用

 画像、動画、音楽等のファイル置き場としての利用は禁止しております。また、index.html(htm)ファイルが無い場合・画像比率が80%以上の場合もファイル置き場とみなし予告なく削除する場合がございますのでご注意ください。

FC2ホームページ - 無料ホームページ作成
100908rbrowser.png

http://nakayamayu.web.fc2.com/record/2010/1009goryu/の中身。画像がほとんど。

 私自身はファイル置き場としてFC2 ホームページを使っているつもりはないのだが、山の写真を大量にアップロードしている。画像と画像以外のファイルの個数の比でも容量の比でも言っても80%を越えておりアウトだ。

 長期間更新を滞らせなくても予告なく削除されてしまうかもしれない。

  1. 2010/09/08(水) 17:54:07|
  2. blog/webpage
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ホーキング博士曰く「ビッグバンに神の介在は無い」

 /.Jより、ホーキング博士曰く「ビッグバンに神の介在は無い」

 記事の元となっているguardian.co.uk記事によればホーキング博士は以下のように書いているようだ。

 "It is not necessary to invoke God to light the blue touch paper and set the universe going."

 宇宙を生じさせ、継続させるのに神を持ち出す必要はない(中山訳)。

Stephen Hawking says universe not created by God | Science | The Guardian

 宇宙の始原の理論はよく分からないが、ロジックとしては私が神はいるかいないか、ではなく、要るか要らないかである - なだいなだ「権威と権力」(2)で論じていることと同じだと思う。

 ただ、凡人の私が説明しようと思わなければ神は不要であると述べたのに対し、物理学者の発言は「説明するのに神は不要である」という意味になり、神不要論に大きく踏み込んだと言えよう。この意味は大きいと思う。

100910追記:岩崎書店のキャンペーンのバナーを追加(下記参照)。岩崎書店の人からコメント欄で頼まれたので。宇宙のこととはあまり関係ないブログだけどいいや。

  1. 2010/09/07(火) 00:03:16|
  2. 宗教・哲学・心理学
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北アルプス・唐松岳~五竜岳で見た花

 2010年 - 北アルプス・唐松岳~五竜岳ではたくさん花を見た。メモがわりに花の紹介をする。

1009goryu_009.jpg

↑ハクサンシャジン(八方池山荘)。八方池山荘付近にたくさん咲いていた。

1009goryu_010.jpg

↑カライトソウ(八方池山荘)。トラノオに似ているけどもっとフサフサしている。

1009goryu_012.jpg

↑コウメバチソウ(八方池山荘)

1009goryu_037.jpg

↑トリカブト(八方尾根下樺尾根付近)

1009goryu_042.jpg

↑キイチゴ(八方尾根上樺尾根付近)

1009goryu_045.jpg

↑ウサギギク(八方尾根丸山)

1009goryu_046.jpg

↑チングルマ(八方尾根丸山)

1009goryu_068.jpg

↑ハクサンフウロ(唐松岳頂上山荘)

1009goryu_163.jpg

↑タムラソウ(白岳付近)。棘のないアザミと思ったら、同じキク科でもアザミとは違う仲間らしい。

1009goryu_181.jpg

↑リンドウ(中遠見山)

1009goryu_182.jpg

↑ゴゼンタチバナ(中遠見山)

2010年 - 北アルプス・唐松岳~五竜岳
http://nakayamayu.web.fc2.com/record/2010/1009goryu/
  1. 2010/09/06(月) 00:10:10|
  2. 登山
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北アルプスの唐松岳から五竜岳にかけて縦走してきた

1009goryu_184.jpg

↑小遠見山から五竜岳を背景に私

 山田さんたちと北アルプスの唐松岳から五竜岳にかけて縦走してきた。

 天気はよく、日差しが強くて暑かった。あまりに天気がいいのでもう少しガスが上がってきて日陰があればよかったが、日陰もなくしかたないので上のようなカッコで日に当たらないように歩いた。

 人も多かったし、もう少し涼しい時期に登るのがいいと思った。この時期はまだ沢登りがいいね。

2010年 - 北アルプス・唐松岳~五竜岳
http://nakayamayu.web.fc2.com/record/2010/1009goryu/
  1. 2010/09/05(日) 22:28:20|
  2. 登ってきた
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船橋「ラーメン無限大」つけ麺かつお味

 昨年行った船橋「ラーメン無限大」に行った。

100903mugendai1.jpg

↑ラーメン無限大の外観

100903mugendai2.jpg

↑つけ麺(かつお味)太麺680円

100903mugendai3.jpg

↑つけ麺(かつお味)スープ

 13時過ぎに訪れたためか店内は空いていたが、しばらくしたら満席になってしまった。

 前に来たとき、つけ麺のかつお味が気になっていたので、頼んでみた。太麺か細麺か尋ねられ、太麺を注文。

 スープはかつお味が濃く、少し甘みがあってうまい。最後にスープ割りで完食した。

 途中下車の必要があるが、駅から近いので行きやすくていい。

 2010年1月3日追記:その後、ゆず風味を食べた。

  1. 2010/09/03(金) 18:04:30|
  2. ラーメン
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漢字の順番が覚えられない言葉、博覧強記、山座同定

100810shingodaka_17.jpg

抜戸乗越から見た槍穂連峰のシルエット

 タイトルで言い尽くしているのだが、博覧強記と山座同定という言葉の漢字の順番がわからない。

 強記博覧だったか、博記強覧だったか、山同座定だったか、山定同座だったか分からなくなる。温故知新が「古きを温めて新しきを知る」みたいに、読み下せればたぶん間違えないと思うのだが、読み下し方が分からない。

 幸い頻繁に使う言葉ではないし、言い換えも容易なので困ることはないが、その分覚えられない。

  1. 2010/09/02(木) 00:42:06|
  2. ことば
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大野輝之、レイコ・ハベ・エバンス「都市開発を考える―アメリカと日本」

 大野輝之、レイコ・ハベ・エバンス「都市開発を考える―アメリカと日本」を読んでいる。

 まえがきで著者らは、アメリカでの民間開発が住民を巻き込み、多岐の項目にわたって環境アセスメントを行っているのに対し、それを参考にしたと言われる日本での民間開発が単なる規制緩和であり、それがむしろ無計画な都市の高層化、ダウンタウンの衰退を招いたとしている。

 第1章ではアメリカ・サンフランシスコでのミッションベイというところでの開発を例に住民参画のようすについて述べている。

 ミッションベイの開発プロセスは、住民参加の度合いが、アメリカの都市計画市場でも、まれに見るほど徹底したものであると言われている。この住民参加の計画プロセスは、1985年9月の週末2日間を使って民間コンサルタントの事務所で催された「シャレット」と呼ばれる合同ブレイン・ストーミング手法による会合で始まった。シャレットにはコミュニティ活動家、ディベロッパー、都市計画局の計画官と民間コンサルタントなどが十数人集まり、おのおのの立場からクリエイティブなアイデアが出され、その場で開発計画のタタキ台になる案が作りだされた。

大野輝之、レイコ・ハベ・エバンス「都市開発を考える―アメリカと日本」(岩波新書,1996)P.22

 私が思うに、日本でこのような住民参加による都市計画の決定は無理ではないかと思う。日本は人口密度が高く、しかも山のきわから海っぱたまでまんべんなく人が住んでいる。例えば原子力発電所、ゴミの処分場、下水処理場といったいわゆる迷惑施設を建てようと思うとどうしても住民の近くに建てなければならない。多くの場合、それらの建物は忌避され計画は簡単に進まない。

 迷惑施設だけでなく、道路もいまだ戦後の計画を引きずっている。東京の環状八号線が完成したのは平成18年のことだし、環状二号線、別名マッカーサー道路は事業を行っているところだ。公園の子どもの声ですらうるさいとして噴水使用の差し止めが行われる世の中で合意形成が可能とはとても思えない。

 傾向としては昔に比べて市民がより声高に自らの主張を行うようになってきている気がする。


都市開発を考える―アメリカと日本 (岩波新書)都市開発を考える―アメリカと日本 (岩波新書)
(1992/02)
大野 輝之レイコ・ハベ エバンス

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  1. 2010/09/01(水) 00:02:40|
  2. 書評 - 科学・技術
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